大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)4896 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人和島岩吉、同池辺甚一郎両人の上告趣意は、末尾に添附の別紙記載のとお

りである。

弁護人和島岩吉の上告趣意について。

第一点について。

所論は、原審で主張判断を経ない事項であり上告適法の理由にならない。のみな

らず判例違反を主張するも引用の判例は本件に適切でないし、刑訴四〇五条に当ら

ない。

第二点について。

論旨は、原審判決は経験法則論理法則に反し最高裁判所の判例に違反するとの主

張なるも、その実質は単なる訴訟法違反の主張に過ぎないし、所論の判例を具体的

に示さないので刑訴四〇五条に当らない。

弁護人池辺甚一郎の上告趣意について。

第一点について。

所論は、被告人が本件物品の賍物たることを認識しなかつたことを述べ事実誤認

を主張するに帰し刑訴四〇五条の適法な上告理由に当らない。

第二点について。

憲法違反を主張するも条文の摘示もなくその実質は単なる訴訟法違反に過ぎない

から刑訴四〇五条に当らない。

第三、五点について。

論旨は、憲法三七条違反の主張なるも第一審判決が採用した証拠は、すべて被告

人及び弁護人において、これを証拠とすることに同意していることが認められるし、

- 1 -

なお供述内容に争いのある賍物知情の点についての供述部分を除いて証拠調の請求

がなされていることも記録上明らかであるから所論憲法違反主張はその前提を欠き

採用できない。(昭和二三年(れ)第八八号同年六月二三日当裁判所大法廷判決、

集第二巻七号七三四頁参照)

第四点について。

量刑不当の主張で刑訴四〇五条適法の上告理由に当らない。

第六、七点について。

何れも憲法違反の主張であるが、その実質は単なる訴訟法違反、事実誤認、採証

非難の主張に帰し刑訴四〇五条に当らない。また記録を調べても本件について、刑

訴四一一条を適用すべきものとは認められない。よつて同四〇八条により裁判官全

員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年一〇月二七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!